2009 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物合成を指向した合金系クラスター触媒の開発
Project/Area Number |
09F09241
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
櫻井 英博 Institute for Molecular Science, 分子スケールナノサイエンスセンター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MURUGADOSS Arumugam 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 外国人特別研究員
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Keywords | 空気酸化反応 / 金属クラスター / キトサン / 合金 / アルコール酸化 |
Research Abstract |
本研究は、高効率酸化触媒の開発を目的に、2種以上の金属の組み合わせた合金系クラスター、および保護マトリクスの設計、開発を行い、従来の空気酸化反応の効率化、反応条件の多様化を実現するとともに、神経式の反応開拓を目標とし、特に脱水素型芳香化反応の開発を目指している。 21年度は、保護マトリクスとして、バイオポリマーの一種であり環境調和型触媒開発の重要なツールになり得ると考えられるキトサンを選び、キトサン保護金属ナノクラスター触媒の調製および、その空気酸化触媒活性に関する評価を行った。金属としては、これまで研究を行ってきた金に加え、パラジウム、白金、銀、銅をそれぞれ金との合金を形成したサンプルも調製した。今回、いずれの金属においても、平均粒径が2.3nm程度の粒子サイズになるような調製法の開発に成功した。得られたキトサン保護金属クラスターはいずれも広いpH範囲で非常に安定であり、pHが4以下では均一系、4以上では不均一系触媒として、空気酸化触媒として機能することを明らかとした。特に、塩基性水溶液条件下におけるアルコールの空気酸化反応に関しては、粒子サイズが小さく(平均粒径1.3nm)かつ擬均一系条件であるポリビニルピロリドン保護金クラスターとほぼ同程度の触媒活性を示したことから、キトサン保護クラスターは極めて高い活性を有していることがわかった。また不均一系の反応であることから、触媒の回収、再利用も容易である。さらに、合金系クラスターに関しては、パラジウム、白金との合金系クラスターは金単独のクラスターに匹敵する活性を示すことも明らかとなった。
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Research Products
(1 results)