2010 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物合成を指向した合金系クラスター触媒の開発
Project/Area Number |
09F09241
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
櫻井 英博 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンス・センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MURUGADOSS Arumugam 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 外国人特別研究員
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Keywords | 空気酸化反応 / 金属クラスター / マグネタイト / ポリビニルピロリドン / アルコール酸化 |
Research Abstract |
本研究は、高効率酸化触媒の開発を目的に、2種以上の金属の組み合わせた合金系クラスター、および保護マトリクスの設計、開発を行い、従来の空気酸化反応の効率化、反応条件の多様化を実現するとともに、新形式の反応開拓を目標とし、特に脱水素型芳香化反応の開発を目指している。 22年度は、電子供与性の金属酸化物として金ナノクラスターの活性化に効果があると期待されるとともに、磁性を有するため、外部磁石等により容易に回収、再利用が可能となると期待されるマグネタイト(Fe304)の有効利用を考え、マグネタイト/金の合金を水溶性高分子であるポリビニルピロリドン(PVP)で保護し、擬均一系触媒としての活用について検討を行った。これまで当研究室で開発してきたPVP保護金属クラスターの調製手法を応用し、これまでに達成されていない極めて小さな(約3nm)Au/Fe304系クラスターの調製に成功した。このようにして調製されたAu/Fe304@PVP触媒はアルコールの空気酸化反応に対して活性を示し、室温、塩基性水溶液中で第1アルコールからカルボン酸への直接酸化の活性を示した。また中性水溶液中でも活性を示し、この場合は第1アルコールからアルデヒドへの選択的酸化を実現した。また、ネオジム磁石を用いることにより、Au/Fe304@PVP触媒は容易に回収、再利用することができ、5回のリサイクル過程においては、顕著な触媒活性の低下は見られなかった。
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