2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子固定化酸化インジウムスズ電極を用いた多対象イムノセンシング
Project/Area Number |
09F09245
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 宗孝 Kyoto University, 工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AZIZ Md. Abdul 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノ材料 / 金属ナノ粒子 / 修飾電極 / センサー / 電気化学分析 / 酸化インジウムスズ / イムノセンシング / 電子移動反応 |
Research Abstract |
本年度は、11月からという短期間ではあったが、本研究の基盤となる酸化インジウムスズ(ITO)電極表面への金ナノ粒子修飾について重点的に検討した。まず、大きさの揃った金ナノ粒子をITO表面に直接固定化する方法として、液温70度の水溶液中、ITO基板共存下で塩化金酸イオンをアスコルビン酸で還元することにより、一段階でITO基板表面に金ナノ粒子を修飾できることを見出した。この方法では、クエン酸のような保護材を使用していないので、電極として応用した際に電子移動を妨害しにくい特性が考えられる。そのため、これを用いた電気化学測定や、さらに高次修飾を行うことで、イムノセンサーを構築すべく検討を進めている。 また、別のアプローチとして、カルボン酸基を有する特定の芳香族化合物を用いることで、塩化金酸を還元すると同時に表面にカルボン酸が存在する金ナノ粒子を容易に調製できることを明らかにした。類似の誘導体との比較検討の結果、今回反応に用いた誘導体では大きさの揃った球状の金ナノ粒子が調製できることがわかった。カルボン酸基を持つ金ナノ粒子は、アミノ端末を表面に修飾したITO表面に、静電的相互作用を用いて容易に修飾できた。また、アスコルビン酸を用いて電気化学測定を行った結果、金ナノ粒子の触媒特性が観測できた。 本年度は11月から検討を開始し、SEMの使用などについても技術習得の時間が必要であった。そのため、論文発表や研究成果報告はないものの、上記のように、金ナノ粒子の新しい表面固定法や機能修飾法について検討を行って一定の成果を得ることができた。次年度は、このようにして調製した基板電極を利用して実際のセンシングに関する検討に移行していく予定である。
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