2010 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強ラマン散乱によるヒトの病気に関連したタンパク質の超高感度検出
Project/Area Number |
09F09248
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
尾崎 幸洋 関西学院大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAN Xiaoxia 関西学院大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 表面増強ラマン / ラマン分光法 / イムノアッセイ / 金属ナノ粒子 / タンパク質 / 免疫 / 抗原 / 抗体 |
Research Abstract |
アビジン誘起表面増強ラマン散乱を用いたラベルフリー間接イムノアッセイ法 表面増強ラマン(SERS)分光法によって生体分子の非破壊かつ超感度な同定が容易となり、DNA、タンパク質、細胞、細菌などの研究を含む生命科学分野の関心を高めている。ラマン色素ラベルイムノアッセイとして知られるラマン活性ラベルを用いた高感度な方法の開発に焦点をおいた研究もいくつかある。しかしながら、ラマンレポーターの非特異的吸着は、しばしば擬陽性の結果をもたらすことがあるため、免疫反応解明に対してラベルフリー法を開発する必要がある。SERSによるラベルフリーイムノアッセイ法を行う前に、以下のような2つの重要な側面を考慮すべきである。それは、免疫複合体は通常、ラマン散乱強度が低いこと、また、金属ナノ粒子への吸着後における抗体または抗原の生体活性の維持がきわめて重要なことである。現在用いられているSERS活性基質は、生体親和性と高感度の組み合わせが困難なため、SERSを用いたラベルフリーイムノアッセイ法の開発は、いまだ重要な課題である。 われわれはアビジン会合コロイドを用いたSERSによるラベルフリーイムノアッセイ法のための簡易かつ効率的なプロトコルを開発した。銀ナノ粒子は、アビジンとの強力な静電相互作用によって凝集を誘発され、その結果、ビオチン-アビジン特異的認識によってビオチン共役タンパク質は銀会合体と結合する。SERSは、とりわけ吸着物やその配向物の第1層に高感度なため、われわれはSERSスペクトルにおける抗原が関与する前後の差が溶液中のアビジン誘起銀ナノ粒子会合体で生じるタンパクータンパク結合の解明に用いることができるのではないかと推測する。本プロトコルで最も重要な側面は、銀ナノ粒子の会合や、銀表面への抗体の吸着の様子である。これらのことは、これまのでの関連する方法に比べ、抗原(ヒトのIgGでは10^<-10>M)の高感度検出や、より生体に親和性の高いタンパク質の検出を可能とする。
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Research Products
(3 results)