2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09252
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八島 栄次 Nagoya University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QI Shenli 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ポリメタクリル酸メチル / 立体規則性 / らせん構造 / 光学活性 / フラーレン |
Research Abstract |
研究代表者らは、最近、分子のキラリティーに応答して光学不活性なシンジオタクチックポリメタクリル酸メチル(st-PMMA)に一方向巻きのらせんが誘起され、しかもその形を記憶として長時間保存できるという、極めてユニークな現象を発見している。また、得られたらせん内側の直径約1nmの空孔にフラーレンが包接されることも見出している。本研究では、このst-PMMAを用いたらせん構造の制御とゲスト分子包接を基盤技術として用い、らせん構造を有するst-PMMAの側鎖や空孔内に機能性官能基を配列制御した機能性高分子の合成を行った。 Ziegler触媒を用いた重合により合成したst-PMMAの側鎖のメチル基を、酸存在下、加水分解することにより、部分的にカルボキシル基を側鎖に有するポリマーを得た。つぎに、その側鎖部分にカルバゾール基などの機能性官能基をエステル結合を介して修飾することに成功した。これらのポリマーはらせん構造を形成することにより側鎖部分の機能性官能基がらせん状に配列制御されることが期待される。また、らせん構造を有するst-PMMAの空孔内に、平面構造や直線構造を有する種々の有機分子が取り込まれることを、NMRやXRD、DSCなどによる測定により明らかとした。これら、らせん構造を有し、側鎖もしくはらせん空孔内に機能性分子を配列させたst-PMMAは、配列制御された機能性分子間の相互作用やらせんキラリティーにより、らせん構造に由来する機能を発現すると考えられ、有機薄膜トランジスタや単分子で極めて高い導電性を有するナノワイヤー、多様な基質のキラリティーを認識するらせんプローブなどの新規材料の開発へと繋がることが期待される。
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