2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09258
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
村田 英幸 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHONGALE Chetan Jagdish 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 |
Research Abstract |
本研究では、溶液プロセスによって大面積化が容易な導電性高分子材料を用いて高効率な太陽電池を実現する為のデバイス設計指針を得ることを目的とする。その為に、金属酸化物の自己組織的ナノ構造形成という特異な構造を有機薄膜太陽電池のn型層に応用することで、P型材料(有機導電性高分子や低分子材料)とのメソ構造を精密に制御した薄膜を形成する。平成21年度は、金属酸化物電極であるITO表面の化学修飾による電子状態変化について検討した。具体的には、アルデヒドとアミンの脱水縮合によって共役したアゾメチン結合が生成する点に着目し、ITO表面に共役連鎖長の異なる共役系アゾメチン化合物を形成しITOの仕事関数に及ぼす影響を調べた。すなわち、アルデヒド化合物として二官能性のterephthalaldehyde(TPA)を用いた場合、基板との反応後には反応性のアルデヒド基を有する表面が形成される。このアルデヒド基を起点としてさらにジアミン化合物と反応させることで基板に対して垂直に配向した共役系オリゴマーを形成できる。まず、共役連鎖長の異なるアゾメチンオリゴマーの生成を確認する為に、石英基板上にアゾメチンオリゴマーを合成した。各試料の吸収スペクトルを測定したところ、共役連鎖長の伸長と共に吸収ピークの長波長シフトが確認された。その結果、ITOに化学結合したアゾメチンオリゴマーの共役連鎖長が長くなるに従って、ITOの仕事関数が低下する事が分かった。この結果は、ITO表面に化学結合した共役系分子によってITOの電子状態が変調される事を示す興味深い結果である。
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Research Products
(2 results)