2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09273
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福谷 克之 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ONG YiChing 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ゲルマニウム表面 / 電子状態 / 終端 / 水素 / STM |
Research Abstract |
GeはSiより高いキャリア易動度を持ちデバイス材料として注目を集めている.デバイスとして応用をえると,表面及び界面の電子状態に関する知見が不可欠である.表面・界面準位はしばしば原子・分子吸着により終端されることが知られている.本研究では,Ge(001)表面についてその表面電子状態の理解とガス処理による高機能化を目的として,走査トンネル顕微鏡(STM)により,下記2つのテーマについて実験的研究を行った. (1)Ge(001)表面は,低温ではc(4x2)再構成構造に,高温では2量体の配列がランダムになりp(2x1)構造となり,このとき表面が絶縁体から金属的な電子状態に変化する可能性が指摘されていた.人為的に表面欠陥を導入すると,欠陥近傍は2量体の傾きがピン留めされるため局所的にc(4x2)構造が安定化する.この効果を利用して,STMによりc(4x2)およびp(2x1)構造の電子状態の温度依存性を測定したところ,温度によらずc(4x2)構造は絶縁体的,p(2x1)構造は金属的な振る舞いを示すことがわかった. (2)Ge(001)表面を終端する方法として,水素吸着の方法がある.近年,水素がGe2量体を完全に終端される途中の過程として,2量体の片側のダングリングボンドに水素が吸着したsingly occupied dimers(SOD)構造が発見され,その電子状態や終端反応中間状態として注目を集めている.STMおよび空間分解STSを利用して,これらSODの構造,電子状態,さらに振動状態に関する研究を行った.STM像からは,水素吸着端が非吸着端より下がった構造を取ることが示唆された.STSの結果は,非吸着端Ge原子には金属的な非局在電子状態が存在することを示している.さらに水素吸着位置では,-0.25eVに新たに構造が表れることがわかった.
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Research Products
(1 results)