2010 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティの検出アルゴリズムとネットワークにおける感染症制御に関する研究
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09F09275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 秀幸 東京大学, 生産技術研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Bing 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 感染症伝播 / ボンドパーコレーション / 複雑ネットワーク / クラスター係数 |
Research Abstract |
今年度は、コミュニティ構造を持つネットワークにおける感染症伝播のダイナミクスに関して、以下の2つのアプローチにより研究を行った。 1.複数タイプのノードにより構成された適応型ネットワーク上の感染症伝播 現実のネットワークにおいて、そのノードはいくつかのタイプに分類されることが多い。また、現実のネットワークは動的に変化し、各ノードはそれに適応して行動することも多い。本研究では、感染確率と再接続確率がタイプ依存であると仮定し、複数タイプのノードにより構成された適応型ネットワーク上の感染症伝播を考える。平均場近似を用いることにより、感染拡大の閾値を感染確率と再接続確率により記述した。また,2タイプのネットワークにおいて、感染・再接続確率を変化させたときの、感染者数と閾値を数値的に評価した。分岐構造の解析により、感染持続状態と根絶状態の領域を同定し、双安定状態が存在することを示した。以上の結果を論文として発表した。 2.クリークランダムネットワーク上のボンドパーコレーションと、相互作用する感染症への応用 ネットワーク上を伝播する感染症の挙動において、クラスタが及ぼす影響は難しい問題であり、ネットワーク内にどのようにクラスタが入っているかに依存する。本研究では、まずクラスターネットワークモデルを任意の大きさのクリークに一般化し、要素の大きさの分布、巨大な要素のサイズ、相転移点などの統計的特徴を解析的に導出した、次に、クリークランダムネットワーク上のボンドパーコレーションを考え、浸透確率がクリークによって異なる場合を考えた。これを二つの相互作用する感染症に応用することにより、クラスタの構造が感染症の挙動に大きな影響を与えることを示した。また、相安定性の解析により、ネットワーク構造と感染症の伝播との関係を明らかにした。
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Research Products
(3 results)