2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09281
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濱島 高太郎 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OZCIVAN Ahmet Nuri 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 交流損失 / 超電導線材 / 超電導 / 3相同一軸ケーブル / レーストラックコイル / サーチコイル / 損失最小化 |
Research Abstract |
超電導体を電力ケーブルなどへ応用する場合,交流での使用が前提条件となる。超電導体は交流での使用時に交流損失が発生する。特に3相同-軸ケーブルでは通電電流と位相の異なる磁界が印加されるため,その損失の低減のために交流損失特性の明確化が必要である。本研究では,超電導線材に通電電流と位相の異なる外部磁界が印加された場合における交流損失特性の明確化を目的としている。初めに,超電導線材内の磁界分布についてビーンモデルを用いて近似することによって通電電流と位相の異なる外部磁界印加時の交流損失特性についての計算式を得た。これをケーブルへ適用し,3相同-軸ケーブルについて交流損失最小化について検討した。検討においては,撚りピッチやケーブル半径といった導体パラメータ決定のための式を導入した。各相一層のケーブル構成について損失最小化の検討を行い,これより各相二層のケーブル構成の場合まで拡張することに成功した。 また,超電導線材の交流損失測定へ向けて装置の作成を行った。超電導体に均一な磁界を印加する必要があるため,磁界分布計算を用いて磁界印加用レーストラックコイルの設計を行った。実際に製作したコイルにおいて磁界の均一度はコイル中心と最も端の点で0.88%となりほぼ仕様を満たしているものを得られた。また,通電電流による損失を測定するための装置を作製しその精度の確認を行った。これは,外部磁界を印加しない場合における交流損失を測定することによって確認できる。この場合の交流損失については良く一致する計算式があり,これとの比較を行うことによって装置の正確性を確認できた。また,外部磁界による損失の測定に用いるサーチコイルも製作した。今後は,これらを用いて,通電電流と位相が異なる交流損失の測定を行う予定である。
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