2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 進 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PENG Chao 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | フォトニック結晶 / 共振器 / センシング / Q値 |
Research Abstract |
フォトニック結晶は、光の波長程度の周期的屈折率分布をもつ光材料であり、様々な光制御の可能性から注目を集めている。研究代表者は、これまでに、波長の3乗程度の微小領域に3.5ナノ秒を超える長い時間光を閉じ込めることの可能な高Q値光ナノ共振器や、フォトニック結晶のバンド構造の特異点(バンド端)における大面積共振作用を用いた、数百μm四方の範囲にわたって単一縦横モードで発振可能な面発光レーザの実現などを実現してきた。本研究では、このようなフォトニック結晶の特徴を利用したセンシング応用を目指した研究を行った。 ナノ共振器を利用したセンシングでは、昨年度までに液体中で動作するフォトニック結晶の測定を行い、液体中においても、自由空間への放射損失が小さく、100万以上のQ値が実現できることを明らかにした。本年度、液体中でフォトニック結晶試料を測定するための測定系の構築を行い、液体(アセトン)中でフォトニック結晶共振器の特性を評価することにも成功しており、高Q値ナノ共振器を用いたセンシングのための基礎を築くことができたといえる。 また、本年度新たに、フォトニック結晶バンド端による面発光レーザを用いた新たなセンシング応用への展開の検討を行った。研究代表者は、高出力なレーザや出射方向を制御可能なレーザ素子などを実験的に実現することに成功しているが、これらのレーザの動作の解析については、様々な手法が検討されていたものの、計算量や精度の面で課題を有していた。最近、また大面積に対する解析が可能な2次元結合波理論が提案されたものの、計算精度は不十分であった。本研究では、より厳密な2次元結合波理論を構築するべく、従来無視していた高次成分の寄与の効果、フォトニック結晶の面垂直方向の電磁界分布や構造分布の効果を取り込み、フォトニック結晶の周期性が厚さ方向に不均一な構造(斜め孔や円錐台形状孔など)にも拡張することにも成功した。
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Research Products
(8 results)