2009 Fiscal Year Annual Research Report
FRCCの主応力回転による特異点解消材料の開発と構造部材への適用
Project/Area Number |
09F09285
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 宏一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SURYANTO Benyy 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 繊維補強コンクリート / せん断特性 |
Research Abstract |
セメント系新材料である繊維補強コンクリートの主応力軸回転下における力学挙動の特異点を解消する新たな材料開発により,その用途を構造部材へと飛躍的に拡張させることが本研究の目的である.特に,多方向にひび割れが発生した際の静的及び疲労挙動は未解明なため複雑な応力履歴を受ける構造部材への応用は限定的であり,これを克服することが繊維補強コンクリートの適用範囲を広げると期待される. この目標のもと,本年度は繊維補強コンクリートに主応力軸回転下において多方向ひび割れが発生し力学性能が低下することを防ぐため,その主要因であるせん断特性を向上させることを目的とし,骨材を混入させた実験を実施した.試験方法は研究代表者とSURYANTO氏らが新たに開発した材料レベルでの試験方法を採用した.骨材の量とサイズの影響を,骨材を用いることで低下する引張性能と向上するせん断性能に分離して体系化立て把握することを目標としている. また,HPFRCCの実構造部材への適用を念頭に,HPFRCCに補強鉄筋を配したパネルの純せん断試験の数値解析を,研究代表者らが構築した構成モデルを導入した上で行い,その挙動を検証した.鉄筋との相互作用を構成モデルに組み込むと共に,等方および非等方な補強筋比のパネルの再現を通し,非等方補強時のひび割れ発生後の主ひずみ方向の回転と強度の低下,せん断挙動について論じ,構築した構成モデルの妥当性を示した.
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