2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09286
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝見 武 京都大学, 地球環境学堂, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Zhenze 京都大学, 地球環境学堂, 外国人特別研究員
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Keywords | 廃棄物処分場 / 遮水工 / 粘土層 / 微生物 / 重金属 |
Research Abstract |
廃棄物処分場の浸出水、鉱山からの廃水等に含まれる重金属による人体や環境への影響を防止するためには、地盤環境中における重金属の動態を適切に把握する必要がある。重金属の動態には様々な要因が影響を及ぼすが、本研究は特に、地盤中に存在する微生物に着目したものである。汚染拡散防止を目的として廃棄物処分場等の汚染源周辺に設置される遮水粘土層内の重金属の挙動について、微生物活動が及ぼす影響をミクロ~マクロの様々なスケールで実験的に評価し、遮水粘土層の設計に反映させることを目的とする。 本年度は、X線吸収分光法(XAS)、電子分光法(XPS)、走査式電子顕微鏡(SEM)、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)を使用し、鉱物-微生物-水の相互作用面における重金属の挙動を評価した。XASは、元素形態や価数など、鉱物と水の相互作用の分子レベルでの解明に有用であり、またXPSは、土粒子表面における元素濃度の同定が可能である。粘土粒子を微生物膜によりコーティングし、重金属等の汚染を未然に防止する策について検討を行った。これは、粘土粒子は一般的に負電荷を帯びておりカチオン系の汚染物質を引き付けること、及び粘土粒子の比表面積が非常に大きいため一度汚染されると浄化が極めて困難であることから、粘土粒子を微生物膜でコーティングすることにより、重金属汚染耐性を向上させるものである。カオリン粘土を用いた実験により、微生物膜の存在が粘土粒子の重金属吸着量に大きく影響を及ぼすことが示された。今後現場への適用に向けて検討が必要であるが、汚染の未然防止策に関して重要な知見が得られたと考えられる。また遮水性能に関しては、種々の条件下で行った室内試験により、増殖した微生物群が締固めたカオリン粘土の間隙を充填することで10-8m/sオーダーの透水係数が得られることが示された。
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Research Products
(8 results)