2009 Fiscal Year Annual Research Report
L10型鉄白金規則合金を用いた垂直偏極スピン注入とスピン流制御
Project/Area Number |
09F09295
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高梨 弘毅 Tohoku University, 金属材料研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Fujun 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | スピントロニクス / FePt / 垂直磁気異方性 / B4C / スピン注入 |
Research Abstract |
FePt/B_4Cの伝導特性について評価する前段階として、スピン注入源となるFePtの(001)配向エピタキシャル膜の作製を行った。FePt成膜用に超高真空多元スパッタ装置の立ち上げ作業が必要であり、装置の真空系の整備、成膜用母材等の準備を行った。MgO単結晶基板上にFePt膜を試作した結果、(001)配向と垂直磁気異方性が得られた。B_4Cを用いた垂直通電型素子を作製するためには、下部電極となるFePtが表面平坦性も重要となるが、今後の最適化により垂直磁化スピン注入源が作製できるまで成膜装置を整備することができた。 その一方で、FePt/B_4C系でのスピン注入実験を行う準備段階として、通常の非磁性金属であるAuに対しCoからスピン注入を行うためのスピンバルブ素子の作製と評価を行った。まず、微細加工の上で必要となるフォトマスクパターンやで電子線描画パターンを設計した。デバイス薄膜はイオンビームスパッタ法によって作製し、微細加工はEBリソグラフィーとフォトリソグラフィー及びArイオンミリングによって行った。測定は4端子プローバーを用い、Auへのスピン注入が出来ているかを非局所法によって評価した。その結果、室温において明瞭な非局所シグナルが得られ、スピン蓄積効果を示唆する成果を得た。Auにおいて室温でスピン蓄積シグナルを得たという報告は少なく、良質なデバイスを作製できたのではないかと考えられる。
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