2010 Fiscal Year Annual Research Report
ガストンネル型プラズマ溶射による高性能熱遮蔽複合膜の開発に関する研究
Project/Area Number |
09F09299
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 明 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUBRAMANIAM Yugeswaran 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ガストンネル型プラズマ溶射 / イットリア安定化ジルコニア / ランタン入りジルコニア / セリア入りジルコニア / SEM / XRD / TBC |
Research Abstract |
ガストンネル型プラズマ溶射によりイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、高温時に安定で、低熱伝導率を持つランタンジルコニア(La_2Zr_2O_7)を始めとするセラミックス皮膜を作製し、その超耐熱熱遮蔽複合膜(TBC)としての適合性を調べた。 その結果、プラズマアーク法によるLa_2Zr_2O_7の作製では、La_2O_3とZrO_2を1:2の割合で混合した粉末を溶融させて、均質なLa_2Zr_2O_7を高効率に作製した。プラズマアーク電流値が60Aのとき、低ガス流量の場合に60秒以下の短時間に80%以上の生成効率であることを明らかにした。 このLa_2Zr_2O_7溶射用粒子を用いたガストンネル型プラズマ溶射により、ランタン入りジルコニアとYSZとの複合皮膜を作製し、その皮膜の機械的特性などを測定し、SEM,TEMやXRDなど各種分析装置により機能性の評価を行った。この場合、適正溶射条件について検討し、従来のYSZを用いた溶射皮膜と高温耐食性などの性能の比較を行った。 具体的には、ガストンネルプラズマ溶射装置によるランタンジルコニア複合膜の作製において、ランタンジルコニア粉末とジルコニア粉末(YSZ)の各種比率の混合粉末を用いて溶射実験を行ない、300μm以上の厚みの品質のよいランタンジルコニア複合膜を作製した。この場合、ジルコニア膜と比較してランタンジルコニアはビッカース硬度がHv=1200から低下するものの、適正条件である50%ランタンジルコニア+50%YSZ複合膜では、ビッカース硬度Hv=960で気孔率14%の腐食性が1/2以下になることが明らかになった。また、1300KにおけるNa_2SO_4中での高温耐食性についても従来のYSZの溶射皮膜と比較して同等の値25が得られた。
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