2009 Fiscal Year Annual Research Report
電気二重層キャパシタ用高メソ細孔性炭素-炭素コンポジットの作製
Project/Area Number |
09F09300
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇. Kyoto University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KRAIWATTANAWONG Kriangsak 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 電気二重層キャパシタ / ゾルーゲル法 / メソ細孔性炭素 / カーボン竃極 / レゾルシノール / ホルムアルデヒドゲル / 炭素-炭素コンポジット / 細孔制御 |
Research Abstract |
本研究では,レゾルシノールーホルムアルデヒド(RF)ゾルに原綿を複合し,ゲル化,炭素化を経てメソ細孔性に優れたC-Cコンポジットを作製する。コンポジットの細孔特性に及ぼすRFゲル合成条件,原綿含有率の影響を明らかにし,メソ細孔を制御する方法を提示する。さらに,2.0cm^3/g以上のメソ孔容積をもつC-Cコンポジットを作製し,電気二重層キャパシタ電極用炭素材料としての可能性を明らかにすることを目的とする。 先ず,カーボンゲルの細孔特性に及ぼすRF湿潤ゲルの乾燥法,乾燥時に使用する溶媒の影響に検討を加えた。乾燥法として熱風乾燥法,真空乾燥法,凍結乾燥法を,溶媒としてt-ブタノール,エタノール,トルエン,アセトンを用いた。蒸発乾燥法を使用すればマクロ細孔が形成されにくく,溶媒としてt-ブタノールを使用すれば熱風乾燥や真空乾燥を用いても凍結乾燥に匹敵する細孔特性をもつカーボンゲルを作製できることが分かった。次にRFゾルに原綿を複合し,ゲル化,真空乾燥,炭素化によってC-Cコンポジットを作製した。細孔特性を窒素吸着法で評価したところ,BET表面積440m^2/g,メソ細孔半径7.1nm,メソ細孔容積2.13cm^3/gのコンポジットを作製することができた。この研究成果は,ゲルの乾燥方法として超臨界乾燥や凍結乾燥を使用しない場合,高メソ孔容積をもつカーボンが作製できないという従来の考えを全く覆すものであり,新しい多孔性カーボンの可能性を強く示唆するである。本年度に得られた研究成果からC-Cコンポジットの細孔制御を適切に行えば,電気二重層キャパシタ用カーボン材料が開発できると考える。
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