2011 Fiscal Year Annual Research Report
電気二重層キャパシタ用高メソ細孔性炭素-炭素コンポジットの作製
Project/Area Number |
09F09300
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KRAIWATTANAWONG Kriangsak 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 電気二重層キャパシタ / ゾルーゲル法 / メソ細孔性炭素 / カーボン電極 / レゾルシノール / ホルムアルデヒド / 炭素-炭素コンポジット / 細孔制御 |
Research Abstract |
本研究では,レゾルシノールーホルムアルデヒド(RF)ゾルに原綿を複合し,ゲル化,炭素化を経てメソ細孔性に優れた炭素-炭素コンポジット(C-Cコンポジット)を作製する。C-Cコンポジットの細孔特性に及ぼすRFゲル含成条件,原綿含有率の影響を明らかにし,メソ細孔を制御する方法を提示する。さらに,2.0cm^3/g以上のメソ孔容積をもつC-Cコンポジットを作製し,電気二重層キャパシタ電極用炭素材料としての可能性を明らかにすることを目的とする。 RFゾルに原綿を複合し,ゲル化,凍結乾燥,炭素化によってC-Cコンポジットを作製した。細孔特性を窒素吸着法で評価したところ,作製したC/Cコンポジットのミクロ細孔容積と表面積およびメソ細孔表面積は,原綿の添加量にほぼ依存せず,メソ細孔容積のみが添加量に依存する結果が得られた。これは,原綿の添加によってメソ細孔サイズを変えずに容積を大きくできることを意味し,細孔の調整法として興味深い。また,ナノケージに囲まれたナノカーボン粒子が観察された。作製されたC/Cコンポジットは,これまで報告されていない新しいカーボントンネル構造をもつ多孔性カーボンであり,この構造の積極的な利用が望まれる。 作製試料のキャパシタ容量を測定したところ,最大のBET表面積をもつカーボンクライオゲルは最大のキャパシタ容量を示さない結果が得られた。また,C/Cコンポジットはカーボンクライオゲルと比較して,単位面積あたりのキャパシタ容量が明らかに大きいことが分かった。これは,C/Cコンポジットがもつカーボントンネル構造がキャパシタ特性に寄与するためと推察できる。したがって,イオンの移動を促進するカーボントンネル構造をもつC/CコンポジットはEDLC電極材料として有用と考えられる。
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Research Products
(3 results)