2010 Fiscal Year Annual Research Report
種分化の室内実験:ショウジョウバエの雑種に由来する種の分離
Project/Area Number |
09F09308
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
澤村 京一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHAVALI Vishalakshi 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ショウジョウバエ / 種分化 / 生殖的隔離 / 性的隔離 / 交配後接合前隔離 / 実験室集団 / 分子マーカー / 染色体逆位 |
Research Abstract |
アナナスショウジョウバエには、パリドーサショウジョウバエと同所的に分布して体色の暗い集団と、パリドーサショウジョウバエと異所的に分布して体色の明るい集団が存在する。これら3つの集団間で、これまで交配前隔離(性的隔離)・交配後/接合前隔離(競争的(あるいは非競争的)配偶子間競争)・接合後隔離(雑種適応度)に関して基礎的なデータを収集してきた。これまでにも報告されているように、アナナスショウジョウバエとパリドーサショウジョウバエの間の性的隔離は強いが、その程度は交配の方向によっても異なり、集団が同所的であるか異所的であるかによっても大きく左右される。また、同種内の暗色型と明色型の間にも性的隔離が存在するらしい。これまでこれら2種間で交配後/接合前隔離を調査したという報告はないが、明らかに交配後/接合前隔離が存在することが分かった。さらに、これまでこれら2種の間では接合後隔離がないというのが定説であったが、現在、詳細にパラメータ(生存率・妊性など)を分けて定量しており、検討中である。以上と並行して、これらの集団を区別するための分子(PCR-RFLP)マーカーを開発してきた。アナナスショウジョウバエとパリドーサショウジョウバエを交配して雑種集団を確立し、実験室集団を維持している。各世代における個体のサンプルは冷凍保存してあり、これから遺伝的構成を決定する予定である。これにより、雑種由来の集団がどのように進化するか考察ができるものと期待する。
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