2010 Fiscal Year Annual Research Report
チラコイド膜プロテアーゼFtsHの安定性とTHF1との相互作用
Project/Area Number |
09F09310
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 亘 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG L. 岡山大学, 資源植物科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 葉緑体分化 / チラコイド / タンパク質相互作用 / シロイヌナズナ / 光合成 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
今年度は、当初計画していたTHF1の機能解析だけでなく、チラコイド膜形成について包括的に制御機構を調べる目的でVipplタンパク質に関する研究も並行して行った。 (1)THF1の機能解析 昨年度までの研究から、THF1とFtsHの相互作用を支持する結果は得られなかったが、THF1が光化学系IIにおけるクロロフィルアンテナLHCII複合体との結合を制御する可能性が指摘された。今年度は、THF1とHisタグを融合したタンパク質を大腸菌で発現させて精製し、thf1変異体から単離したチラコイド膜と混合した際の光化学系II複合体の変化をBlue-native SDS PAGE二次元電気泳動法により調べたが、これらを支持する結果が得られなかった。 (2)Vipplの機能解析 チラコイド形成におけるTHF1の機能が依然として不明であるため、同じくチラコイド膜形成に関わることが提唱されているVipplについても本研究では詳しく調べることにした。Vipplと緑色蛍光タンパク質GFPを融合したタンパク質(Vippl-GFP)を発現するシロイヌナズナ植物を作製し,vippl欠損変異体に交配で導入した結果、Vippl-GFPはvippl欠損株の致死性を相補することが明らかとなった。GFPによる観察や、ドイツのグループより得たVippl抗体を用いてVipplの葉緑体内局在を調べたところ、Vipplはチラコイド膜ではなく包膜に局在することが明らかとなり、かつ、包膜を貫通してC末端が葉緑体の外側に配向することが示唆された。これらの結果は、Vipplがチラコイド膜形成だけに関わるのではなく、包膜の維持に関わることをも示唆しており、来年度以降も、Vipplの新たな機能について研究を進めることとした。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] The FtsH Protease Heterocomplex in Arabidopsis : Dispensability of Type-B Protease Activity for Proper Chloroplast Development.2010
Author(s)
Zhang, D., Kato, Y., Zhang, L., Fujimoto, M., Tsutsumi, N., Sodmergen, Sakamoto, W.
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Journal Title
Plant Cell
Volume: 22
Pages: 3710-3725
Peer Reviewed