2010 Fiscal Year Annual Research Report
NF-kappaB経路におけるユビキチンシグナリングの構造機能解析
Project/Area Number |
09F09312
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
若槻 壮市 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHIGHI Simin 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 転写因子NF-κB / NF-κB活性化因子 / ユビキチン / ポリユビキチン鎖 / 分子認識 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
NF-κBはすべての動物の細胞に存在し、炎症反応や細胞増殖、アポトーシスなどに関わる様々な遺伝子の転写を誘導する重要な転写因子である。NF-κBの活性化にはユビキチンが重要な役割を果たしている。NF-κBの活性化因子であるNEMOのユビキチン結合ドメインUBANは、NEMO以外にもABIN1, ABIN2, ABIN3, Optineurinに保存されているが、これらはNF-κBを活性化するものもあれば、反対に不活性化するものもある。NEMOのUBANドメインとの結合はK63結合ユビキチンに比べて直鎖状ユビキチンの方が100倍以上強い。K63結合や直鎖状ユビキチン鎖への親和性はABIN-1,2,3の間でも差が見られる。ABIN (A20 binding inhibitor of NF-κB signaling)はA20およびNEMOと結合し、NF-κB経路を負に調節する。本研究ではNEMOとABIN-1のユビキチン鎖への親和性の違いを詳細に解析するため、これらのUBANドメインのポリユビキチン鎖との結合特異性を、X線結晶構造解析を初めとする生物物理学的手法により解明する。これまでNEMOとABIN-1のUBANドメインについて、そのコイルドコイル構造のホモダイマーに対して直鎖状ユビキチン鎖が両側から対称的に2分子結合した結晶構造を得ている。平成22年度はABIN-1ホモダイマーに対し直鎖状ユビキチン鎖1分子が片側だけに結合した複合体の結晶構造解析に成功し、UBANドメインとユビキチン鎖の結合モル比について等温滴定熱量計を用いた詳細な解析を行った。
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Research Products
(2 results)