2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子間力測定、高速イメージング、認識イメージングによる転写調節機構の解明
Project/Area Number |
09F09313
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹安 邦夫 Kyoto University, 生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHIN Minsang 京都大学, 生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 分子間力測定 / 高速イメージング |
Research Abstract |
試験管内転写反応を高速AFM観察および認識イメージング観察するためには、観察対象を基盤に弱く結合させ、かつ観察対象が活性を維持する程度に基板上での自由度を保持する環境を確立することが必須である。この2つの条件を同時に満たす条件を見出すことはこれまで困難であった。先行研究においては、マグネシウムイオンを介して基盤とDNAを安定的に結合させる方法が知られていたが、我々の高速AFM観察系においては、この方法ではDNAと基盤が強固に結合してしまうため、観察に適さないことが分かった。そこで、様々な溶液条件を検討したところ、ニッケルイオン存在下において、DNAの自由度を保持したままで、観察対象を基盤に固定させることが可能であることが明らかとなった。このことにより、転写反応を高速によって観察する詳細な実験系を確立することができた。 一方、転写伸長後にσファクターと転写装置が結合しているかどうかを明らかにするためには、ヒスチジンタグを融合させたσファクターおよび抗ヒスチジンタグ抗体を結合させたAFM探針を作成し、転写伸長後のRNAポリメラーゼにσファクターが残留しているかどうかを認識イメージングにより測定する必要がある。そこでまず、抗体を結合させたAFM探針を作成し、基板上の抗原を認識する系を確立した。この方法と、上で記したDNA/タンパク質をAFMで観察する実験形の確立によって、試験管内転写反応の高速AFMでの観察および認識イメージングの準備が整った。今後これらの系を用いて、転写調節における分子メカニズムを明らかにする。
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Research Products
(1 results)