2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子間力測定、高速イメージング、認識イメージングによる転写調節機構の解明
Project/Area Number |
09F09313
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹安 邦夫 京都大学, 生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHIN Minsang 京都大学, 生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 分子間力測定 / 高速イメージング |
Research Abstract |
本研究では、転写調節における分子メカニズムの解明のため、比較的転写装置が単純で解析が容易な大腸菌の系を用い、RNAポリメラーゼのサブユニットや転写調節タンパク質の、遺伝子プロモーター上での会合様式を原子間力顕微鏡(AFM)によるナノスケール可視化解析により明らかにする。とりわけ、RNAポリメラーゼのサブユニットの一つであるσファクターと、大腸菌の代表的な転写抑制因子H-NSに焦点を当てた解析を行なう。(1)通常の大気中AFM観察により、LEE5プロモーターとH-NSとの相互作用様式を明らかにした。また、競合的にDNAに結合すると考えられるLerとH-NSとについて、共存在下でのDNA結合様式について生化学的解析とAFMによる可視化解析とによって明らかにした。(2)転写開始・伸長反応を高速AFM観察し、σファクターの結合・解離を解析する計画は、高速AFM観察に適した試料調整が容易ではなく、現在、ようやく転写反応(RNA)合成が解析できるところまできた。(3)大腸菌を超音波処理のみにより破砕しショ糖密度勾配法により分画した特定の画分には、細胞膜断片にタンパク質を介してゲノムDNAが結合している様子が見られる。LC/MS/MS等の解析からこの介在タンパク質はMreBであることが確実となった。またMreBで免疫沈降をすると、RNA-ポリメラーゼ、転写伸張因子、リポソームタンパク質、FoF1-ArPase等が共沈することも分かった。すなわち、アクチン様タンパク質であるMreBがRNAポリメラーゼや伸張因子を介して核様体を細胞膜に繋ぎ留める役目を果たしている。
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Research Products
(1 results)