2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユーラシアにおけるカリフラワーモザイクウイルスの集団遺伝構造
Project/Area Number |
09F09320
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大島 一里 佐賀大学, 農学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FARZADFAR Shirin 佐賀大学, 農学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 植物ウイルス / DNAウイルス / 分子進化 / ゲノム構造 / 集団遺伝構造 / カリフラワーモザイクウイルス |
Research Abstract |
アブラナ科植物の起源は,南東ヨーロッパから西アジア地域と考えられているが,そのアブラナ科植物を宿主とする代表的なウイルスが,2本鎖の環状DNAウイルスであるカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)である。本研究では,CaMV分離株をそれらの地方のトルコ,イラン,ギリシャさらに我が国より採集し,その後網羅的に全ゲノム構造(約8kb)を解析し,分子進化学的・集団遺伝学的に解明することを目的としている。最終的には,それらの国々や我が国の診断技術開発などの植部防疫への貢献,また将来の抵抗性植物の育種に関わる知見を得ることを最終目的としている。 これまで我が国の本州のブロッコリー,ダイコンから新たな分離株を採集することに成功した。またトルコ,イラン,ギリシャからも多数分離株を採集することに成功した.その後それらのウイルス分離株を単病斑分離を行い,様々なアブラナ科植物を用いて生物学的な性状の調査を行った。さらにこれらウイルス50分離株以上の全ゲノム構造をポリメーラーゼ連鎖反応産物とクローニングすることにより塩基配列を決定した.その後報告されている全ゲノム構造が明らかとなっている海外の分離株と塩基配列を比較した。その結果,分子系統学的に世界のCaMVには最低3集団があることが明らかとなった. 現在論文投稿に向け,分子進化や集団遺伝学に関連したバイオインフォマティクスにより,全ゲノム構造について分子進化学的・集団遺伝学的に多面的に解析している。
|
Research Products
(3 results)