2009 Fiscal Year Annual Research Report
重金属汚染から魚体を守るプロバイオティクスの開発に関する研究
Project/Area Number |
09F09327
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
宗景 志浩 Kochi University, 教育研究部自然科学系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHAKTA J.N. 高知大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 重金属耐性菌 / 乳酸産生 / 16SrDNA解析 / Enterococcus faecium / 抗生物質耐性菌 / 胆汁塩耐性 / ヴェトナム / インド |
Research Abstract |
ホーチミン市沿岸、インド東部沿岸のエビ養殖池や水路および日本の河川の65地点から水と底泥および魚体サンプルを採取した。これらのサンプルから好気条件下および嫌気条件下でMRS培地を使ってバクテリアを培養したところ、カドミウムCdと鉛Pbに対し50ppb、ヒ素Asと水銀Hgに対して100ppbの耐性バクテリア97株を見つけた。また、重金属耐性菌と毒素産生菌とを区別するため乳酸産生能を調べた。 97株のバクテリアのうち、Pb,Cd,As,Hgに高耐性を示すものが、それぞれ64,20,10,3株あった。そのうち、7株は桿菌で他のすべては球菌であった。また、19株が胆汁塩(2000ppm)および酸培地(pH=3.0)で生育したが、残りは生育しなかった。これらの試験株は、MRSブイヨン培地で24時間培養した場合、産生した乳酸量は30-70mMol/lであった。 16SrDNAを解析したところ、97株のうち、乳酸産生の39株は異なる9種(Enterococcus faecium, Enterococcus durans, Enterococcs dispar, Enterococcus faecalis, Enterococcus asini, Enterococcus hirae, Bacillus sp.s, Bacillus cereus, Bacillus thuringiensis)に属す。39株のうちEnterococcus faeciumに属す19株はCd,Pb,As,Hgに耐性を有し、Enterococus faecalisに属す2株はCdに、4株はPbに耐性を有した。Enterococcus faeciumに属す株は抗生物質濃度の影響を受けるが、CdおよびPb除去能はきわめて高く、それぞれ603.5,737.5ug/l/cellと推算された。さらにプロバイオティックの特性を詳しく調べる必要がある。
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