2009 Fiscal Year Annual Research Report
顧みなれない原虫病の創薬:薬用植物由来クアシノイドの薬物動態に関する研究
Project/Area Number |
09F09336
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
片倉 賢 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ELKHATEEB A.M 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | クアシノイド / 薬用植物 / Brucea iavanica / Trypanosoma evansi / bruceine A / 抗原虫活性 / トリパノソーマ症 / 顧みなれない熱帯病 |
Research Abstract |
バベシア症、アフリカトリパノソーマ症(睡眠病)、リーシュマニア症などは発展途上国で蔓延しているが、経営戦略の問題から大手製薬会社が手をつけない「Neglected Tropical Diseases」(NTD、顧みなれない熱帯病)と知られている。こうした原虫性疾患の治療には、安全で安価な治療薬の開発が望まれている。これまで、薬用植物であるBrucea javanicaに含まれるクアシノイド類は強力な抗トリパノソーマ原虫(Trypanosoma evansi)活性があり、クアシノイドの構造と活性とに相関があることを明らかとした。本研究課題では、さらにこの知見を深めるためにquassinoid類の実験動物(ラット、マウス)体内での代謝、ならびに細胞内の標的器官と作用機序に関する研究をすすめることを目的として計画された。平成21年度(半年間)は代謝実験と蛍光標識誘導体作製のために大量のquassinoid類を精製すること奇目的として、中国産Brucea javanica果実を2kg入手し、これを粉砕後、80%メタノールを用いて抽出した抽出液を濾過後、濾液を減圧濃縮し、シラップ状の種子エキスを得た。有機溶媒とH_2Oを用いて、液液分配し、得られた有機溶媒層を減圧濃縮後、ダイアイオンカラムクロマトグラフィー、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、セファデックスLH-20カラムクロマトグラフィー等のクロマトグラムにより目的化合物を精製した。その結果、bruceine A 350mg、bruceine B 250mg、bmceine C 300mgの精製に成功した。
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