2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09344
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
内匠 透 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AKANMU MOSES ATANDA 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 蜂蜜 / 概日リズム |
Research Abstract |
天然物は創薬にとり魅力的であるが、科学的根拠に乏しいものも少なくない。ナイジェリア蜂蜜は様々な効用(鎮静作用、抗不安作用、血圧降下作用など)を有することが知られているが、その作用機構はほとんど未解明である。本研究では、ナイジェリア蜂蜜のもつ特に中枢薬理作用に注目して、睡眠、概日リズムとの関係を電気生理学的、薬理学的、分子細胞生物学的に様々な角度から解析して、その作用経路及び機構を明らかにするとともに、不眠や不安の治療薬(食品)としての利用の可能性を追求しようとする研究である。 ナイジェリアと日本の蜂蜜計9種類の作用を検討した。まず、神経Neuro2A細胞を用いて、神経保護作用を調べたところ、有意に神経保護作用を示すものを見出した。現在、その形態的な変化に対する影響を経時的に観察している。 概日リズムとの関係では、線維芽細胞に発現させた時計モニター遺伝子(Bmall-luc)をもとに、細胞の概日リズムに対する影響を検討している。さらに、フリームビング動物における睡眠・覚醒との関連を調べるためのEEG記録系を確立するために条件検討を行っている。 本研究の成果は、蜂蜜という食用として可能な安全かつ安価な天然物の薬理作用を同定、その機構を理解することが可能となる。蜂蜜の神経細胞及び個体レベルでの影響を広く調べることにより、睡眠覚醒障害のみならず、ストレス関連疾患や他の中枢神経疾患への応用的利用が期待される。
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