2010 Fiscal Year Annual Research Report
膜電位センサーを持たないATP受容体チャネルP2X2の膜電位依存的構造変化の解析
Project/Area Number |
09F09350
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
久保 義弘 生理学研究所, 分子生理研究系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KECELI Mehmet Batu 生理学研究所, 分子生理研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | 生理学 / 神経科学 / 生体分子 / 蛋白質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
膜電位センサーを持たないATP受容体チャネルP2X2が示す膜電位依存性ゲーティングの構造基盤の変異体解析による同定に取り組み、これまでに、ATPの結合部位にあるLys69, Lys308等と、膜貫通部位の細胞外側領域にあるPhe44, Thr339等の、両方の寄与を明らかにした。さらに、両部位をつなぐリンカー部位の変異体を網羅的に作成し解析したところ、そのうちのひとつD315Aが、2重のdose-response関係を示すこと、さらに、低濃度域と高濃度域のATPで活性化される電流の膜電位依存性に関して、前者は小さく後者は大きいという著明な違いを示すことを明らかにした。また、ツメガエル卵母細胞を用いたcut open法によって、膜電位依存的構造変化を反映するゲート電流の記録を試みた。しかし、構造変化が時間的に緩やかであること等によるためか、確実なデート電流は記録されなかった。さらに、ホモ量体からなるこのチャネルの3つのサブユニットがチャネル機能にどのように寄与するかを明らかにすることを目的として、ATP結合部位のLys308Ala変異、膜貫通部位のThr339Ser変異、リンカー部分のAsp315Ala変異等の点変異の、3量体中の位置と数をコントロールして導入した3タンデムリピートコンストラクトを作成した。今後、ATP投与による活性化、膜電位依存性の活性化に着目して、これらのコンストラクトの電気生理学的解析を行う。
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Research Products
(3 results)