2011 Fiscal Year Annual Research Report
リツキシマブ含有悪性リンパ腫治療中のB型肝炎ウイルス再活性化基礎・臨床的包括研究
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09F09355
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田中 靖人 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KHAN MohammedNaseerAhmed 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エピジェネティクス / ヒストン脱アセチル化酵素 / SIRT2 / 神経変性疾患 / 酵素阻害薬 |
Research Abstract |
Sirtuinは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)ファミリーのClassIIIに属する酵素で、ヒトでは7種類のsirtuin(SIRT1-7)が知られている。ヒトsirtuinの一つであるSIRT2は、細胞質に存在し、α-チューブリンの脱アセチル化を行い、細胞周期の制御を行っている。また、SIRT2が、パーキンソン病やアルツハイマー病、ハンチントン病のような神経変性疾患に関与するという報告もあり、SIRT2阻害薬は、抗神経変性疾患薬として期待されている。本研究では、抗神経変性疾患薬を目指した新規なSIRT2阻害薬の創製研究を行った。我々の研究室で見出したSIRT阻害薬2-phenylaminobenzamide(ChenMedChem,2006,1,1059)をリード化合物とし、報告されているSIRT2の三次元構造(POD cod 1J8F)にドッキングさせ、新規化合物を設計した。ついで、設計化合物の効率的な合成法を開発し合成を行った。SIRT阻害活性はBiomol社のアッセイキット等を用いて評価した。SIRT1及びSIRT2阻害活性を比較し、高いSIRT2阻害活性とSIRT2選択性を示す化合物を選び、それを基に更なる分子設計と合成展開を行い、SIRT2に高活性、高選択的な阻害化合物の探索を行った。その結果、すべての合成した化合物の中で、化合物NCO-123,141,146および151などに高いSIRT阻害活性が確認でき、精査した結果、SIRT2選択的にサブマイクロモルレベルで活性を示すことが明らかになった。これらの化合物について、神経変成疾患の治療薬として有効性、および、SIRT2の働きを解明するためのツールとしての有用性の検証を今後行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「SIRT2選択的阻害薬の創製と医薬化学的応用」を目的として研究を実施した。我々の研究室で見出したSIRT阻害薬2-phenylaminobenzamideをリード化合物とし、SIRT2選択的な化合物の設計と合成を行い、サブマイクロモルレベルでSIRT2阻害活性を示す化合物を見出すに至った。SIRT2選択的も高いことから、これらの化合物は、神経変性疾患治療薬などへの利用が期待できる
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Strategy for Future Research Activity |
SIRT2をターゲットとする選択的阻害剤を見いだすことができた。今後は、細胞系を用いた活性評価を行い、有効性を確認したい。
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Research Products
(5 results)