2009 Fiscal Year Annual Research Report
MRI拡散テンソル画像による脳神経線維束描出の研究
Project/Area Number |
09F09357
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山下 康行 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AKTER Masuma 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | MRI / 拡散テンソル画像 / 神経路画像 / 脳外科手術支援画像 / 錐体路 / 脳機能画像 |
Research Abstract |
脳神経外科領域の適切な手術計画において重要な神経線維路の把握は、術後の神経学的合併症を避けるためにも重要なことである。最近脳神経領域の術前評価に拡散テンソル画像が応用されているが、拡散テンソル画像では上縦束などの神経線維束の重なりにより手や顔面などの錐体路の描出が低下することが指摘されている。マルチテンソル法を用いることでその描出が改善される可能性は理論的に示されているが、実際の高磁場MRI臨床機では行なわれていない。 3TMRI装置で正常ボランティア5人を用いてマルチテンソル法を施行し、解剖の教科書を参照しながら下肢、体幹部、手、顔面、舌の錐体路を作成した。シングルテンソル法では、体幹部の錐体路は5人全例、手の錐体路は3例のみに描出され、他の錐体路は描出できなかった。一方、マルチテンソル法では5人ともおのおのの部位の錐体路が描出可能であった。1つの大脳半球において、描出された全ての錐体路線維束の総数に対する体幹部以外の錐体路線維束の総数を線維束比として計算すると、シングルテンソル法が2.4±4.4%、マルチテンソル法が25.0±9.4%で、マルチテンソル法を使用することで体幹部以外の錐体路の描出が有意に改善された。この基礎的データから、現在脳神経外科と共同研究に入り、手術におけるマルチテンソル法の有用性を明らかにすべく、術中に得られたデータとマルチテンソル法で描出された錐体路の関係を検討中である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Diffusion tensor tractography in the head-and-neck region using a clinical 3-T MR scanner2009
Author(s)
Akter M, Hirai T, Minoda R, Murakami R, Saiki S, Okuaki T, Kitajima M, Fukuoka H, Sasao A, Nishimura S, Yumoto E, Awai K, Yamashita Y
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Journal Title
Academic Radiology 16
Pages: 858-865
Peer Reviewed