2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09360
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亘理 文夫 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU Xiong 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノ構造 / チタニア / 細胞培養 / 生体活性 / バイオ医用応用 |
Research Abstract |
インプラントに用いられるチタン(Ti)の生体親和性の基本となる耐食性酸化被膜を構成するチタニア(TiO2)は材質的にもともと生体親和性に富むことから、そのナノチューブはすぐれたバイオ特性を発揮すると期待される。 本研究では、チタニア(TiO_2)の幅12μmと40μmの溝を形成した試料と平滑面試料をゾルーゲル法とリソグラフィー法を組合せて作製し、骨芽細胞(MC3T3-E1)を培養し光学顕微鏡とSEMで細胞形態を観察し接着挙動を調べた。 細胞は溝の方向に沿って配列し、溝幅が狭いほどその傾向は強くなった。Alamar blue assay解析からミクロ溝は細胞の成長を規定し、ALP活性解析から増殖速度を規定すること、溝幅が狭いほどその傾向が強くなることが示された。各試料の表面エネルギーはγ12μm<γ40μm<γflat surfacesの順であり、骨芽細胞の増殖と分化は表面エネルギーとよく関連している。 次にミクロ/ナノチタニアの蛋白質吸着特性を評価するために、モリキュラーダイナミックス(MD)法を用いてRGDペプチドとチタニアの界面での相互作用を計算した。RGDの吸着性に及ぼす影響としてRGDの初期構造、チタニアの結晶構造、表面欠陥、水性環境の4つの因子を考慮しシミュレーション計算した結果、RGD初期構造よりもチタニア結晶構造のほうが結合エネルギーに及ぼす影響はより重要であり、ルチル(110)面よりもアナターゼ(101)面のほうがRGDとの結合エネルギーが強く、原子面のステップ構造がRGDの吸着に大きな影響を及ぼすことが示された。これらは整形外科へのチタンの表面修飾に理論的な指針を与えるものである。
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Research Products
(2 results)