2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09360
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亘理 文夫 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU Xiong 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノチューブ / チタニア / ハイドロキシアパタイト / 結晶形態 / 核生成・成長 / DFT / コンピュータシミュレーション / 結合エネルギー |
Research Abstract |
インプラントに用いられるチタン(Ti)の生体親和性の発現には、表面へのチタニア(TiO2)の耐食性酸化被膜の形成が基本となる。チタニアは条件により様々な形態を示すが、本研究ではナノチューブを形成する条件を求め、そのバイオ特性と応用開発を目的とした。尿素を添加した熱水条件下でTiO2ナノチューブ上に六角柱のプリズム状形態のハイドロキシアパタイト(HA)結晶が形成される条件を求めた[後出文献1,2]。TiO2ナノチューブは、熱水条件下でHA結晶の核生成を誘導するテンプレートとして作用する。チタニアとして金属チタン基盤の上に垂直に成長林立したチタニアナノチューブ表面と通常の平坦な表面におけるHAの形成を比較することにより、ナノチューブ表面はプリズム状六角柱HA結晶の形成を導くことが示された。尿素は溶解イオンの析出・沈殿促進剤としてHAの核生成・成長を制御し、その形態に影響を及ぼす。熱水温度としてはHAの形成を確実にするために尿素の分解が起きる温度が必要である。密度関数理論(DFT)を用いて結合エネルギーを計算すると、尿素はHAの(001)表面よりも(100)表面とより高い結合エネルギーを有することが示され、HA結晶の(100)表面の成長を抑制し結晶成長時の形態に影響すると考えられる[3]。このことは核生成と成長の段階でHA結晶の成長をコントロールできることを示している。またコンピュータ・シミュレーションが、目的とする形態の結晶を得るために適切な析出促進剤を選択する上で有用であることが示された。
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Research Products
(8 results)