2011 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的シグナル分子を担持した癌免疫療法用複合メソポーラスアジュバンド
Project/Area Number |
09F09501
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
十河 友 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Xia 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | アジュバント / 免疫補助療法 / メソポーラス / リン酸カルシウム / シリカ / 細胞毒性 / シグナル物質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「肝癌免疫補助治療用の新規癌ワクチンアジュバント材料を創製すること」である。本年度は、ガン抗原となる自己の死滅腫瘍と共存させることで、安全に且つ高い免疫活性化効果を示す新規アジュバント材料の調製を行い、in vitro及びin vivoでの免疫活性を評価した。昨年度確認したアジュバント材料の調製に重要なファクターを考慮し、シグナル物質の担体候補として30~1000nmの粒子径、2~10nmの孔径を有する種々のメソポーラスシリカを調製した。NIH3T3細胞を用いて安全性を確認したメソポーラスシリカに複合化するシグナル物質にはサイトカインではなく菌体抽出物を採用し、種々のアジュバント材料候補を得た。これらのアジュバント候補材料を添加した培養液中でマクロファージを培養し活性評価したところ、特定のアジュバント材料候補で刺激されたマクロファージはコントロール(無刺激)に比較して2.4~3.2倍の免疫応答指標サイトカインを産生し、マクロファージを明瞭に活性化しうるアジュバント材料が作製できた事が確認され、これをin vivo実験に用いた。アジュバント材料は、自己の死滅腫瘍組織片と共存するように腫瘍治療モデルマウスに注入し、腫瘍再発の有無を30日間観察した。コントロールの生理食塩水を注入した群では腫瘍が1/5匹で再発したが、アジュバント材料群では0/5匹だった。腫瘍の再発がないマウスに腫瘍細胞を播種すると、30日後に生理食塩水の群では2/4匹に腫瘍が形成されたのに対し、アジュバント材料の群では腫瘍形成が1/5匹に留まり、候補アジュバント材料がマウスのガン免疫獲得に好影響をもたらしたと考えられた。
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Research Products
(4 results)