2009 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体を用いたリチウム電池用電極材料の革新的合成法の研究
Project/Area Number |
09F09510
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
本間 格 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エネルギー技術研究部門, 研究グループ長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RANGAPPA Dinesh 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 超臨界流体合成 / グラフェン / グラフェンナノシート / 積層シート / ラマンスペクトル / 量産化技術 |
Research Abstract |
平成21年度の研究開発に置いて超臨界流体を用いたグラフェンの量産化技術の開発とそれらの表面修飾の基本技術の開発を行った。エタノール、DMF,NMPなどの有機系溶媒中でグラファイト結晶を300℃から400℃の超臨界流体による化学処理することにより単原子層から10枚程度のグラフェンが積層したグラフェンナノシートを1-2時間で合成できた。超臨界処理後のグラファイトは黒色のシート状粉末として得られ、その構造をXRD回折で、また積層数などはラマン分光法で測定した。グラフェンナノシートのラマン分光スペクトル解析によりDバンドの強度はGバンドの強度に比べて弱く短時間の剥離的合成(Exfoliation)であるにもかかわらず良質のグラフェン骨格を有するグラフェンナノシートの合成が可能であったことが判明した。積層シート構造はラマン分光法で詳細に調べることが出来るが、合成されたグラフェンサンプルに対して210点の測定点でラマンスペクトルを測定してその積層シート構造を評価した。2Dバンドのラマンスペクトルの形状よりグラフェンの積層数を評価できる。得られた210点のスペクトル形状をパターンマッチングして整理すると単原子層から10層の積層数のラマンスペクトルに分類され、またそれらの出現頻度も評価した。これらの結果から積層数が3枚から8枚のグラフェンナノシートが効率よく合成できたことが判明した。さらに単原子層シートのグラフェンを選び1枚のグラフェンシートの電気伝導特性を評価した。その結果、従来報告されているグラフェンシートと比べて良好な電気伝導特性を有していることが判明した。さらにグラフェン表面への有機、および無機修飾の基本プロセスも開発した。
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Research Products
(2 results)