2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09524
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
加我 君孝 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 東京医療センター・臨床研究センター, センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PERROT Xavier Georges-Albert 独立行政法人国立病院機構, 東京医療センター・臨床研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 絶対音感 / 音楽脳 / 両耳聴 / 方向感 / f-MRI |
Research Abstract |
(I)日本人で音楽を専門とする者で、絶対音感を持つ者と相対音感を持つ者の2つのグループと、音楽を専門としない者を研究の対象にして調べた。今年度は(1)耳音響放射を用いて、刺激耳と反対側耳の抑制が生じるか調べた。フランス人では、職業的な音楽演奏家では、その抑制効果が強いことがわかっていたが、日本人の場合は職業的な音楽の演奏家もアマチュアや音楽の演奏を趣味としない人の間に、脳幹のOAEに対する抑制効果に差のないことが今回の研究でわかった。これは音楽環境の違いによる、いわゆる社会脳の形成の違いによるものと考えられる。(2)方向感検査を用いて両耳時間差と音圧差の感度が音楽家では果たして優れているものか調べた。その結果、日本人の職業的演奏家では両耳時間差の認知能力については、アマチュアの演奏家よりも有意にその能力が優れていることがわかった。職業的演奏家の中では絶対音感を持つものの方が特に両耳時間差について優れていることがわかった。両耳音圧差の認知能力は、両耳時間差と同様の傾向であるが、ただし、職業的演奏家とアマチュアの演奏家よりも高いが、その差は大きくはないことが判明した。 (II)音楽を専攻する者を専門とする楽器別に分け、functional MRIを用い、音楽を聴いた時の機能画像の違いについて研究を開始した。現在までのプレミナリーな研究結果では、楽器の種類にかかわらず、左右の側頭葉の聴皮質周辺の機能増強が認められた。それ以外の大脳の部位にも機能増強が認められるところがあるが、今後の研究成果を待って結論を出したい。
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Research Products
(11 results)