2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導線材を使用した30T級NMRマグネット用内層コイルの開発
Project/Area Number |
09F09609
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
木吉 司 National Institute for Materials Science, 超伝導材料センター, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 世鎔 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 高温超伝導 / 強磁場 / 核磁気共鳴 / 臨界電流 |
Research Abstract |
高温超伝導線材は液体ヘリウム温度(4.2K)では30T以上の磁場中でも実用的な電流を流すことが可能であり、強磁場の発生に最も有望な超伝導線材である。本研究では、30T級の磁場を発生するNMR(核磁気共鳴装置)用高温超伝導内層コイル開発の要素研究を実施する。本年度は下記の成果を得た。 銅合金で補強した4mm幅のBi-2223線材について、物質・材料研究機構が所有するハイブリッド磁石を利用して、4.2Kで26Tまでの臨界電流を磁場が線材テープ面に平行及び垂直な場合について測定した。その結果、Bi-2223線材が外部磁場26T中でもテープ面に平行で300A以上、垂直で200A以上の臨界電流を持つことを実証した。 基板としてHastelloyを使用し、引張応力に対して優れた機械的特性を持つReBCO線材(Reはイットリウム、ガドリニウム等の希土類元素)は強磁場の発生について特に有望である。物質・材料研究機構が所有する超伝導磁石を使用して、幅4mmの線材について、4.2Kから77Kの範囲で温度を変化させつつ、18Tまでの磁場の範囲で、磁場が線材テープ面に平行及び垂直な場合について臨界電流を測定した。その結果として、18Tでは、20Kでの臨界電流は4.2Kでの値の50%となり、強磁場発生の観点からは液体ヘリウム温度まで冷却することが望ましいと結論された。また、5mm幅と10mm幅の線材について、テープ面に垂直な磁場を印加した場合の4.2Kでの臨界電流が線材幅に比例せず、10mm幅の線材の臨界電流密度が低下する結果が得られた。これについて、テープ面を流れる遮蔽電流の影響も含めて検討中である。
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Research Products
(1 results)