2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09614
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
MOORE Adrian 独立行政法人理化学研究所, Moore研究ユニット, ユニットリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
チョン カイン 独立行政法人理化学研究所, Moore研究ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | 嗅覚 / 増殖 / ニューロン / 幹細胞 / ノッチ(Notch) / マウス / Evil / 発生 |
Research Abstract |
Evi1遺伝子はマウス及びヒト骨髄性白血病の原因遺伝子であり、Prdm遺伝子群の一つである。これまでの研究で嗅覚神経の発生段階においてEvi1遺伝子が神経前駆細胞に発現していることを明らかにした。とりわけその発現は胚形成期に嗅上皮(OE)においてSox2とNotch2陽性のAP幹細胞群に多く認められた。この発見によりEvi1遺伝子は細胞周期の進行をコントロールし、これらの前駆細胞が増殖複製期を脱する時期を制御している可能性を示した。 Evi1ミュータントマウスのAP細胞において細胞周期の短縮が認められることから、マーカー遺伝子Ngn1を使用してこの細胞を調べると中間前駆細胞の増加が確認できた。この細胞周期の短縮はOE領域の減少を引き起こしている。OE幹細胞増殖の維持にはNotch-Hes経路並びにbHLH転写因子の一つであるMash1が不可欠なことは知られており、これによりOE前駆細胞におけるEvi1遺伝子の発現はHesおよびMash1に制御されないことを明らかにした。Evi1ミュータントにおいてNotch2とHes1の発現が通常とは異なりOEの基底部に発現している。このことから、Evi1ミュータントにおいてNotchシグナルになんらかの阻害作用があった可能性が考えられる。 神経幹細胞では細胞周期に依存してEvi1遺伝子の発現レベルは制御されており、細胞のS期とG2/M期において発現レベルが高いことがin vivoとin vitroにおいて確認された。またEvi1ノックアウトマウスのAP細胞においてS期の細胞周期が短縮されていることがBrdUパルスチェイス法を用いて明確になった。さらにEvi1ミュータントマウスにおいてP27kip1遺伝子の発現レベルの増加が認められたことから、同マウスのAP細胞のG1期細胞周期が遅延されている可能性もある。
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Research Products
(2 results)