2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトタンパク質上皮成長因子受容体を標的とする阻害剤開発
Project/Area Number |
09F09615
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
横山 茂之 The Institute of Physical and Chemical Research, 生命分子システム基盤研究領域, 領域長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LORIEN Jane PARKER 独立行政法人理化学研究所, 生命分子システム基盤研究領域, 外国人特別研究員
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Keywords | Protein Kinase / Protein Kinase Inhibitor(PKI) / Gefitinib / EGFR mutant / Structure Based Drug Design |
Research Abstract |
EGFR-TKの結晶構造情報に基づいたインシリコスクリーニングと生化学的アッセイによって当研究室の成果として既に選択された新規な骨格を持つ数種の低分子化合物(ヒット化合物)とイレッサ抵抗性二重変異体EGFR-TKタンパク質の複合体の結晶を、ソーキング法と共結晶化法を試みることで、作成することに成功した。現在構造解析可能なデータ収集に十分な結晶を作成するため、結晶化方法として蒸気拡散法とカウンターディフュージョン法を試し、さらなる検討をしている。平成22年度にはこれらの結晶構造から得た情報を、化合物スクリーニング・薬剤デザインの2サイクル目に投入することができると考えている。 また、これまでに取得したEGFR-TK DMアポ体のデータを用いて、高分解能の立体構造を決定することに成功した。さらにEGFR-TK DMとイレッサの複合体の結晶化に成功し、分子置換法を用いて詳細な立体構造を明らかにした。DMがイレッサ抵抗性を示す機構として、従来からメチオニンの側鎖がイレッサ結合ポケット内部に突き出るため立体障害を引き起こすことが予想されていたが、実際にこれらの立体構造を解析してみると、予想とはメカニズムが異なっていることが明らかになった。イレッサ抵抗性の克服のために、これらの立体構造を解析した解析結果を用い、特異的で、より強く結合する、安全な新しい薬剤をデザインすることが必須であると考えられた。したがって、当研究室の成果として既に選択された新規な骨格を持つ数種のヒット化合物を、X線結晶構造解析法を用いて最適化することで、優れた新規阻害剤の開発を予定している。 一方、その他のキナーゼについても構造解析に着手し、Pim1K,AMPKの低分子化合物複合体の結晶構造決定に成功した。
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