2011 Fiscal Year Annual Research Report
イネ抵抗性遺伝子下流の防御応答シグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
09F09617
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
高辻 博志 独立行政法人農業生物資源研究所, 耐病性作物研究開発ユニット, ユニット長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Xinqiong 独立行政法人農業生物資源研究所, 耐病性作物研究開発ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / いもち病 / 真性抵抗性 / WRKY型転写因子 / Rタンパク質 |
Research Abstract |
イネのいもち病'真性抵抗性'遺伝子(R遺伝子)の単離が進み、そのほとんどがCC-NBS-LRR構造をもっていた。しかしながら、いもち病菌感染認識後の、下流へのシグナル伝達についてはほとんどわかっていない。研究代表者らは、CC-NBS-LRR型であるにも関わらず安定な抵抗性を示す穂いもち病ほ場抵抗性遺伝子Pb1が、転写活性化因子のWRKY45と相互作用することを見出し、新規なシグナル伝達経路を示唆する結果を得た。 Pb1による抵抗性の安定性の分子機構解明のため、真性抵抗性Rタンパク質PitaとPb1の間で3つの推定機能ドメインの間でドメイン・スワップしたキメラ遺伝子を導入した形質転換イネを昨年度作製した。今年度、T2世代ホモの形質転換体イネを用い、Pita保有イネに対して親和性および非親和性のいもち病菌レースを噴霧接種していもち病抵抗性検定を行った結果、各ドメインの由来に関係なく、すべてのキメラ遺伝子の過剰発現体がいもち病のレースに非特異的で同程度の強さのいもち病抵抗性を示した。これらの結果は、各キメラタンパク質が強制的に核に発現した結果、WRKY45との相互作用を介して抵抗性反応が誘導されたことを示唆しており、WRKY45を介した抵抗性誘導に関して、PitaとPb1との間に本質的な違いはないことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
真性抵抗性Rタンパク質がWRKY型転写因子とタンパク質間相互作用することが見出された。また、Pb1とのキメラタンパク質を過剰発現すると、いもち病のレースに非特異的な抵抗性が誘導されることがわかった。これらにより、当初計画した実験はほぼ実行し、一定の成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、課題を終了する。
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Research Products
(1 results)