2010 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙推進イオンエンジンからのマイクロ波漏洩と伝搬に関する研究
Project/Area Number |
09F09705
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
國中 均 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BODENDORFER Michael 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 宇宙インフラ / 宇宙探査 / イオンエンジン / マイクロ波放電 / 無電極放電 |
Research Abstract |
宇宙航空研究開発機構は、はやぶさ小惑星探査機を運用し、2003年に打ち上げ2010年に地球帰還に成功した。主役的役割を果たしたマイクロ波放電式イオンエンジンは、電波を用いて無電極でプラズマ生成し、長寿命・高信頼を特徴とする。一方、はやぶさでは具体的な影響は経験されていないが、通信衛星などを含むより広範な宇宙利用を想定する場合には、漏洩電波を低減化する必要がある。そこで、3次元FDTD (Finite Difference Time Domain)数値計算法による漏洩量の見積もりを行い、実験による計測値と定量的に比較してその正当性を示し、漏洩電波の低減化のための指針を得ること目指す。3次元FDTD法は、Courant-Friedrichs-Lewy条件を満たした時間幅刻みと、興味のある領域には少なくとも3以上の計算格子を設ける必要がある。1mm以下のグリッド隙間から電波漏洩されるので、計算格子は0.1mm程度に設定された。計算には、NVIDIA社のCompute Unified Device Architecture (CUDA)を用いて、1ケース辺りイオン源に関して3日間、中和器については24時間の計算時間を要した。一方実験的手法として、中和器に関して実機からの漏洩電波強度の計測を行った。ノズル開口直径に依存する漏洩強度を計測したところ、プラズマなしの場合数値計算にて予測される値と大変よく一致する結果を得た。プラズマありの場合では、なしと比べ概ね10dB程度の減衰となっている。これはプラズマを単純な吸収体とみなしても良いことの支持している。本3次元FDTD法を利用して、中和・器からの漏洩電波低減化に向けた形態形状設計に応用できる見込みを得た。イオン源に関しては、数値計算にてプラズマ中の電波伝播を取り扱えるようにさらなる研究を要する。
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Research Products
(4 results)