2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09708
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
笹原 宏之 Waseda University, 社会科学総合学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
何 華珍 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | 略字 / 俗字 / 国字 / 漢字語 / 日本人漢籍 / 参天台五臺山記 / 新語新義 |
Research Abstract |
本年度の研究は、2009年11月下旬から始まった。短期間であるが、多大の成果を収めることが出来た。 1、計画に従い、日本学術界における日中漢字関係の最前の研究成果、とりわけ略字、俗字、国字、漢字語に対して全面的に調査を行った。代表的な論文をコピー、ダウンロードしたり、学術の専門書を購入したりすることにより、研究の目録を作成した。これを中国人の研究成果と比較することにより、学術への視野を広げる一方、学術のレベルも高めるようにした。 2、計画に従い、日本の古辞書、唐話辞書、蘭学辞書、華英和辞書及び日本人漢籍などに重点を置き、収集が行われた。日中漢字・漢字語の関係を総合的に探求するための基礎を築くとともに、将来の日中言語比較研究の基地形成のための枠組を構築した。 3、既存の研究成果を踏まえつつ、日本漢字の形態、意味の変化を深く掘り下げた。現代における日本話の漢字形態の歴史的な本源を全面的に考査すると同時に、国字、略字、JIS漢字に対し、通時的かつ共時的に考察した。また、国字の中国語における音韻を研究し、中国語辞書の誤謬に対する抜本的な検討を進めた。「日本漢籍における漢語俗字と和製異体字の関係についての考察」「日本の現行文字と歴代の漢籍写本」「日本「国字」の中国語における読み方に関する研究」など数編の論文を作成した。 4、既存の研究成果を踏まえつつ、日本人漢籍『参天台五臺山記』の漢字話に対する定量かつ定性研究を進め、論文「日本人漢籍と日中漢字語比較」を作成し、良い成果を収めることが出来た。論文は『漢語大辞典』、『日本語国語大辞典』を参照し、歴史文献を総合し、データ検索を利用し、『参天台五臺山記』の代表的な160語彙に対し、詳しい分析及び通時的な考察を行った。『参天台五臺山記』の語彙を系統的に研究する第一編の論文と言える。
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Research Products
(1 results)