2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能的毛細血管網が配備された組織再構築のための方法論
Project/Area Number |
09F09714
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 康行 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MONTAGNE Kevin Paul 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 血管新生 / 人工組織 / 内皮細胞 / microfluidics / extra-cellular matrix / pericyte |
Research Abstract |
再生医療のための生体組織構築においては,血管系非配備の場合にはその厚さは酸素の拡散と消費によって決定され,通常の組織では200マイクロメーター程度である。そこで本研究では,内部に培養液や血液を灌流することのできる真に機能的な血管ネットワークをin vitroで細胞の自己組織化能に依拠して形成させるための外部条件を見出すことを最終的な目標とする. 生体における血管新生は存在する血管からの伸展によることがわかっているので,血管構成細胞からなるチューブ状の灌流路をもつマイクロバイオリアクターを作成した.このリアクターは間隙をもって配置された動脈と静脈それぞれ3本の灌流路を持ち,その間にはゲルや細胞を固定化できるように上部からアクセス可能なものである.上部は必要に応じて実験途中に完全に閉鎖可能な構造とした. 現在まで,コラーゲンとフィブリンの複合ゲルをリアクター内に形成し,その中に灌流路を安定して形成可能とした.また,その灌流路の内表面に血管内皮細胞を播種し,単層を形成させることができている,このように灌流を可能となった後に,ゲル上部のアクセスロを閉じて,灌流路のみから酸素や栄養素の供給が行われる環境を実現できた.今後は,このリアクターにおいて様々な条件を変え,形成した血管からの血管新生を観測することとなる,検証を予定している条件としては,ゲル内への血管サポート細胞(周皮細胞や線維芽細胞またはその元となる間葉系幹細胞)や臓器実質細胞(肝または膵がん由来細胞など)の導入,動脈と静脈間の圧力差の付与,増殖因子の濃度勾配の付与,などである.また酸素濃度条件の改善と未知の生物学的作用を期待して,実血液または赤血球成分を懸濁した培養液の灌流も試みたい.
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Research Products
(2 results)