2009 Fiscal Year Annual Research Report
心不全における心筋細胞-心臓線維芽細胞相互作用の解明
Project/Area Number |
09F09716
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 良三 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AUDIGANE Leslie 東京大学, 医学部附属病院, 外国人特別研究員
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Keywords | 心不全 / 心肥大 / メタボリックシンドローム / 脂質 / 線維化 |
Research Abstract |
心不全は主要死因であるが、心不全発症に至る分子メカニズムはよく分かっていない。最近、心不全を含む循環器疾患のリスクとして肥満およびメタボリックシンドロームが注目されているが、これらのリスクがどのようにして心不全を引き起こすかはよく分かっていない。我々はこれまでに、心血管系及び代謝系において、特に血管平滑筋細胞並びに膵β細胞において遊離脂肪酸が細胞機能障害を引き起こすことを明らかとしてきた。そこで本研究計画では、飽和遊離脂肪酸が心筋細胞並びに間質に存在する線維芽細胞や炎症細胞に作用し、心不全を惹起するという仮説を検討することによって、肥満・メタボリックシンドロームにおける心不全発症の分子機構を明らかにすることを目的とする。特に、急性の心筋細胞機能への作用と、慢性的な心筋細胞-線維芽細胞の相互作用への作用の両者に着目して、検討を進めた。また、心筋間質に存在する線維芽細胞に加えて、マクロファージなどの免疫細胞の寄与を含めて検討を進めた。その結果、アンジオテンシンII負荷、圧負荷において、線維芽細胞が活性化し、心筋病態に寄与することを見いだした。また、遊離脂肪酸を長期投与する実験法を確立した。さらに、培養心筋細胞において、遊離脂肪酸による遺伝子発現・細胞機能の変化を検討した。
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