2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09735
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
MATTHIAS WISSUWA 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境領域, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PIERFRANCESCO NARDI 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境領域, 外国人特別研究員
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Keywords | 窒素肥料 / 硝化抑制物質 / 硝酸態窒素流亡 / バイオアッセイ法 / アンモニア酸化細菌 / 土壌生物相定量法 / 陸稲栽培品種IAC25 |
Research Abstract |
現在、窒素肥料の流出を軽減するための低コスト化技術として、作物の根から浸出される硝化抑制物質を用いる方法が有望視されている。イネから浸出されている硝化抑制物質による根圏土壌の微生物相の変化および硝酸態窒素流出と亜酸化窒素発生の抑制効果を明らかにすることにし、イネの根圏域における硝化抑制機能の解明を行った。また、土壌インキュベーションによって得た、イネ三系統のそれぞれの根からの浸出液に関する硝化抑制能を根圏土壌における微生物相の変化を定量化および遺伝子解析を行った。 既に開発した土壌生物相定量法を用い、異なる硝化抑制能をもつイネ系統の根圏土壌における微生物相の変化をさらに評価し、土壌細菌においては難しいとされている遺伝子群のスクリーニング法の開発を行った。 また、同イネ系統を用いて、発生する亜酸化窒素量の測定、その抑制効果の解明および硝酸態窒素流出の軽減効果を明らかにした。 最初のスクリーニング実験では、組み換え型硝化細菌株を用いたバイオアッセイ法で遺伝子型の異なる36種のイネ滲出液の硝化抑制能を評価した。 「日本晴」や「IR64」のような近代水稲品種が低い硝化抑制作用を示したのに対し,陸稲栽培品種IAC25では一貫して高い硝化抑制作用を示し、著しい遺伝子型変異が検出された。 その後の実験で,硝化抑制作用が単に根からの非特異的漏出物によるものであるという可能性を排除した。濃縮したIAC25の根滲出液の土壌培養実験ではあきらかな硝酸生成の減少が認められた。 この効果はIAC25の根圏土壌を使用した培養実験において、より低い硝酸レベルが検出されたことによって確認された。
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Research Products
(3 results)