2010 Fiscal Year Annual Research Report
移植後免疫寛容の誘導における調節T細胞の役割の解明及び心臓乾燥保存法の開発
Project/Area Number |
09F09739
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梨井 康 独立行政法人国立成育医療研究センター, 研究所・RI管理室, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 平 (独)国立成育医療研究センター, 研究所・RI管理室, 外国人特別研究員
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Keywords | 心移植 / 遺伝子 / 臓器保存 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
(1)マウス同種異系心移植モデル樹立及び検討において:本年度の研究では、同種心移植後、拒絶または寛容モデルから遺伝子発現プロファイルを解析した。同種異系心移植後心臓組織、脾臓遺伝子発現のパターンは主に移植後5、8日での急性拒絶期では500数個の統計学的に有意に変化した候補遺伝子を見つけ、既存の免疫活性に関わる遺伝子の高発現が認められた。アレイデータの検証方法として多機能ジーンエクスプレッサーGeXPを試みた。GeXPはマルチフレックスRT-PCRアフローチを使い、25遺伝子の発現定量解析を1反応で同時に測定することがてき、その発現をさらに定量RT-PCRにて確認を行い、アレイでの結果の相関性の確認が出来た。今後GeXP法による移植後拒絶・寛容を予測できるバイオマーカーの発見、患者に対する免疫抑制療法の軽減や休止の指標として期待したい。(2)心臓乾燥保存法の開発において:今年度の研究では、グラフト心臓のCOとO2の混合ガスによる48時間保存後の移植後30、60、100日後と経時的に病理組織、グラフト重量、グラフト生存率を比較検討した。移植直後の蘇生率は100%(6/6)、うち60日後でも生着していた割合は、83%(5/6)であった。しかし、グラフト心臓の組織HE切片を検討したところ、部分的には優位に保たれていたが、浸潤細胞が多数存在し、心筋の壊死、繊維化している所見が得られた。保存時間を24時間で移植蘇生させたところ、グラフト心臓は、保存なしで直ちに移植したグラフト心臓(コントロール群)と、組織・生存率を比較しても相違なく優位に保たれていた。一方、アレイの解析では、発現解析ソフトを用い、発現データの二次元クラスター網羅的遺伝子発現解析を行い、COガス保存特異的な候補遺伝子を100数十個見つけた。うちコントロール群と比較し、遺伝子発現増強(2倍以上)が107個で、発現減弱の遺伝子が50個であった。
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Research Products
(4 results)