2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子と「オミックス」生物学的アプローチによる、単一神経細胞種からみた脳の可塑性の研究
Project/Area Number |
09F09745
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
CARNINCI Piero 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サクセナ アルカ 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 視覚野の可塑性 / Rett Syndrome / MeCP2 / Foxg1 / ヒストンデアセチラーゼ阻害剤 / シナプスの可塑性 / sRNA seq / ChIP-sequencing |
Research Abstract |
本研究の主要な目的は、レット症候群にみられる重篤な症状の原因となっている異常を、ゲノムワイドに明らかにすることにある。具体的には、レット症候群関連遺伝子と考えられているmecp2遺伝子欠損マウスにおいて、可塑性に異常が認められた大脳視覚野のトランスクリプトームを正常マウスのそれと比較することと、MeCP2やFoxg1の標的と考えられるゲノム領域を特定することである。前者については、mecp2遺伝子欠損マウスを繁殖させることの難しさから、共同研究者からのサンプルの到着が遅れたものの、現在はすべてのサンプルがそろい、そこからヘリコスCAGEライブラリーを作製しているところである。これをシークエンスすることで、mecp2遺伝子欠損マウスがレット症候群を発症する前後のトランスクリプトームを比較する。後者に関しては、前年度に引き続き、ChiP-seq法を用いて、大脳視覚野におけるMeCP2やFoxg1の標的領域を調べた。ひとつのサンプル量が少量のため、ChiP-seqのプロトコールをそれに最適化する必要があり、時間がかかったが、最終的に900ヶ所以上のFoxg1ターゲットを特定できた。現在、これらのターゲット候補を定量PCRにて確認中である。その最終的な確認を待たなければならないが、Foxg1はゲノム中の繰り返し配列に結合する傾向を見出した。この少量のサンプルにChiP-seqを最適化したプロトコールは、現在投稿準備中である。さらに、共同研究としてFoxg1の発現量の確認を行い、その結果は現在投稿準備中である。これらに加えて、今期は共同研究としてsRNAライブラリーを作製し、sRNA依存的なDNAダメージ応答を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Investigating disorders of cognition with new technologies2010
Author(s)
Alka Saxena, Erik Arner, Charles Plessy, Akiko Wagatsuma, Yukihiko Noro Cecile Gurnot, Takao Hensch, Michela Fagiolini, Piero Carninci
Organizer
BMB2010 (The 33rd Annual Meeting of Molecular Biology Society of Japan, The 83rd Annual Meeting of the Japanese Biochemical Society)
Place of Presentation
Port Island Kobe, Kobe (poster)
Year and Date
20101207-20101210