2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09746
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 武 京都大学, 医学研究科, 特別研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TAN Jonathan Kah Hua 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 人工脾臓 / 脾臓白脾髄 / ストローマ細胞 / 感染症 / 腫瘍免疫 / 再生医学 |
Research Abstract |
本研究では体内で長期にわたり強い免疫機能を発揮できる脾臓類似のデバイスの開発をめざした。その目的でまず、マウスの系において脾臓の人工的構築を行った。脾臓内皮細胞ストローマ細胞の同定および新たな細胞株の樹立を行った。新生児(生後3日目)のマウスの脾臓から脾臓カプセル(ストローマ)細胞を調整し、脾臓を摘出した正常のadultレシピエントマウスの腎皮膜下に移植して脾臓組織誘導能があるかどうかを調べたところ、移植3-4週後に中心動脈血管のまわりにT細胞領域、その周囲にB細胞領域を持つ脾臓白脾髄組織が形成された。その構造は自然の脾臓と全く同じ構造、細胞組成であった。さらに驚くべきことに赤脾髄も完全な構造が構築できた。生後8日目の脾臓ストローマ細胞では形成能の低下が見られた。レシピエントを抗原で免疫したところ、人工的構築した脾臓においてもレシピエントの脾臓と同程度あるいはそれ以上の二次免疫反応が誘導された。生後3日目の脾臓ストローマ細胞をリンフォトキシン欠損マウスに移植したところ、脾臓の再生は起らなかった。このことから、我々の系での脾臓再生にはリンフォトキシンあるいはリンフォトキシン産生性インデューサー細胞の存在が必須であることがわかった。今後、さらに、ヒト化マウスの系を用いて人型の人工リンパ節、脾臓白皮髄の構築のための基礎的研究を行う。
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Research Products
(6 results)