2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09752
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仁平 卓也 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ULANOVA Dana 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 放線菌 / 休眠遺伝子 / 覚醒技術 / 抗生物質 |
Research Abstract |
土壌細菌である放線菌は、抗生物質の主たる供給源である。急速に集積するゲノム情報により、放線菌は1種類の抗生物質だけではなく、複数の抗生物質を生産する能力があることが示された。しかしながら、その能力はほぼ休眠状態であり、多くの抗生物質が生産されていないか、または極少量しか生産していないものと考えられる。これらの有望な生物資源を発掘(覚醒)すれば、放線菌をさらに探索せずとも、新たな抗生物質の供給が可能になると期待される。 本研究では、休眠する抗生物質生産を覚醒させるため、放線菌の抗生物質生産制御系を分子レベルで解明することを目的とする。昨年度までに、ゲノム上に10コピーある転写制御因子群をそれぞれ構成的かつ過剰に発現させたライブラリーを構築した。過剰発現株の表現型を固体培養または液体培養にて野生型株の表現型と比較したが、抗生物質を含む二次代謝産物の生産プロファイルに顕著な変化は観察されなかった。次に、野生型株において、この転写制御遺伝子群の転写状況を解析した結果、7つの遺伝子は少なくとも転写されており、また一部の転写パターンは培地中に含まれる炭素源の種類に依存することが明らかとなった。転写されている2つの遺伝子は、他の放線菌ゲノム配列との比較解析により、抗生物質生産と密接に関連する炭素源資化に関わる可能性が示唆されたため、現在、抗生物質の生産プロファイルを中心に2遺伝子、それぞれの破壊株表現型を解析している。
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