2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09752
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仁平 卓也 Osaka University, 生物工学国際交流センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ULANOVA Dana 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 放線菌 / 休眠遺伝子 / 覚醒技術 / 抗生物質 / 医薬品リード化合物 |
Research Abstract |
二次代謝産物として抗生物質を生産する産業微生物、放線菌では医薬品開発の重要性から遺伝子情報の理解に基づいた抗生物質の新規開発に近年、期待が集まっている。放線菌ゲノムには抗生物質の基本骨格となりうる30種類以上もの化合物が遺伝子情報として書き込まれているが、その多くは微量生産または生産されておらず、生物資源が有効に活かされているとは言い難い。これらの休眠している遺伝子情報を覚醒できれば、新規医薬品リード化合物の供給が可能になると考えられる。本研究では、放線菌の二次代謝制御メカニズムを分子レベルで解明した後、得られた知見を元に、潜在化合物群を顕在化させる技術を開発することを最終目的としている。初年度は、産業放線菌のゲノム上に存在する特定の転写制御因子群を網羅的に過剰発現させ、既知二次代謝産物の生産プロファイルの変化を観察した。 放線菌では報告されていないが、細菌の二次代謝に関与すると推定される特定の転写制御因子を産業放線菌で探索した結果、10コピーの遺伝子を持つことが分かった。構成的プロモーター支配下に置いた各遺伝子を野生型株に導入し、過剰発現株の二次代謝産物生産プロファイルを検討した。現在までに4遺伝子に関して過剰発現株を構築したが、予備的実験では既知抗生物質の生産量に顕著な変化は見られていない。次年度は他遺伝子も含めた本解析を継続し、培養条件などをさらに検討する予定である。
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