2009 Fiscal Year Annual Research Report
混合放射線場における能動型検出器の校正に関する理論的及び実験的解釈
Project/Area Number |
09F09753
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
内堀 幸夫 National Institute of Radiological Sciences, 基盤技術センター, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ONDREJ Ploc 独立行政法人放射線医学総合研究所, 基盤技術センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 放射線 / 線量計 / 宇宙飛行士 / PHITS / 加速器 / Liulin / TEPC / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
宇宙放射線検出器として使用されているLiulinシリコン半導体検出器とHAWK組織等価比例計数管検出器について、放医研のHIMAC重イオン加速器の重イオンビーム(ヘリウムイオン150MeV/uと炭素イオン135MeV/u)およびサイクロトロン加速器の陽子線ビーム(70MeVと40MeV)を利用して校正および比較実験を実施した。その結果、重イオンにより10keV/um近辺の高いLET(線エネルギー付与)領域における貴重な校正点を得ることができ、また、宇宙環境において支配的な陽子に対する校正も進めることができた。また、ビームライン上に、異なる吸収体を挿入した際における線量あるいはLETの分布に関する情報を取得した。さらに、過去に行われたビーム実験のデータとも比較を行い、これらの計測器の校正が非常に進んだ。このような高LETあるいは低LETの照射を一度にできる施設は、世界的に見ても非常に希であり、これらの校正データの取得は貴重である。これらの検出器は航空機環境における宇宙放射線の線量評価等に実際に使われており、線量評価結果の信頼性の向上に大いに役立っていると考える。 さらに、これらの実験をシミュレートし、校正結果を確認するために、PHITSおよびGEANT4計算コードの導入を考え、原研機構および高エネルギー加速器機構を訪問し、専門家から直接指導を受け、それらの習得に努めた。今後、シミュレーション計算を実施し、実験結果と比較していく計画である。これらの実験結果等については、平成22年3月末の国内の研究会、および、平成22年7月と9月に開催される国際会議において公表する予定である。
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