2010 Fiscal Year Annual Research Report
混合放射線場における能動型検出器の校正に関する理論的及び実験的解釈
Project/Area Number |
09F09753
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
内堀 幸夫 独立行政法人放射線医学総合研究所, 基盤技術センター, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ONDREJ Ploc 独立行政法人放射線医学総合研究所, 基盤技術センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 放射線 / 線量計 / 宇宙飛行士 / PHITS / 加速器 / Liulin / TEPC / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
宇宙環境で使用されている放射線検出器であるLiulinシリコン半導体検出器、及び、航空機環境において線量評価に利用されているHAWK組織等価比例計数管検出器に関して、放医研のHIMAC重イオン加速器の重イオンビーム等により校正および比較実験を実施した。これにより、高いLET(線エネルギー付与)領域における検出器の応答の理解が進んだ。また、航空機内における宇宙放射線の線量評価を実施すべく、チェコ航空の協力を得て、これらの検出器を商業用の航空機に長時間設置し線量評価を行う放射線線量計測実験を開始した。数週間の計測期間の後にデータを取得し、その後も繰り返し計測を行い航空機乗務員の放射線被ばく線量評価に役立てる予定である。 また、新たにシリコン半導体素子に多数の電子回路を実装することで多素子化する最新の技術を用いた、マルチチャンネルピクセル検出器(Medipix)について、HIMACによる重粒子線ビーム実験を実施し、その性能を評価すると共に、重粒子の高LETからガンマ線の低LETまで同じ検出器で計測が行えることを証明した。 重粒子線によるビーム実験を模擬し、その照射室内におけるビームの性質(1次ビームのエネルギー、フラグメント粒子、および、壁等による散乱線など)を明らかにし、生物物理実験に情報を提供するために、PHITS計算コードによりシミュレーション計算を行い、実験結果と比較した。 これらの実験結果等については、平成22年3月の国内の研究会、および、平成22年7月と9月に開催される国際会議において公表した。
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