2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経軸索の成長と誘導を制御する機能分子群のプロテオーム解析
Project/Area Number |
09F09767
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
瀬藤 光利 浜松医科大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CECILIA Eriksson 浜松医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | Parkinson's disease / Imaging Mass Spectrometry / Lipid alterations |
Research Abstract |
本研究課題では、質量分析イメージング手法を用いて脂質やその複合体の解析を行うことで、パーキンソン病が発病するメカニズムを明らかにすることを目的とした。イオン化を補助剤するマトリクスとしてDHBを用いることで各種生体分子のイオン化を促し、陽イオンに注目してこれを検出することによって試料上の各位置で質量分析を行った。多くの生体分子を同時に検出することが可能であるが、その中でも特に脂質に注目し、その空間分布や継時変化などを解析した。6-Hydroxydopamine(6-OHDA)という神経毒を投与することによってパーキンソン病の病変を再現することが可能であり、このようにしてパーキンソン病の病変を誘導したモデル動物の脳を測定試料として用いた。モデルマウスの脳切片を解析したところ脂質組成に顕著な変化が見られた。モデルマーモセットの脳切片を解析したところ、脂質組成において同様の変化が確認できたため、これによってパーキンソン病の病変を特徴づけることができたと考えている。 従来の測定手法では脂質のイメージングや分布の解析は困難であったため、このような脂質の異常に着目した研究として意義のあるものであると考えている。本研究で得られた成果は、パーキンソン病において脂質変化の重要性を明らかにするものであり、将来的には他の手法と組み合わせることで異常をきたした脂質の同定、定量化を行うことが可能となり、パーキンソン病発症の詳細なメカニズムを明らかにすることができると期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
重要な結果を得ることができたという点において満足のいくものであったが、その重要性に見合うだけの多くの検証、解析の必要性が次々と生じる結果となってしまい、その作業を期間内に完遂することができなかったという点で不満が残っている。また、装置のトラブルなどによって研究が遅延してしまったこともあり、このような評価とした。
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Research Products
(1 results)